ポートレート写真を楽しむ構図（公園編）

最近よく思うのが被写体（女性）が、最近のグラビア雑誌にせよ写真専門雑誌にせよ
アップ系の写真が多すぎるのではないだろうか？
これにつられる様にフォトコンやホームページに出てくる写真もアップ系が多く
全身入れても窮屈なくらいぎりぎりに入っている。
モデルに引きつけられて可愛い顔、美人の顔を大きく撮りたいのは分かるが
その手の写真って誰でも撮れる。
それよりも屋外の場合折角ロケーションの良い場所で撮影しているのだから
そこを上手く構図に取り入れて撮影する事を考えよう！

私は都内の公園で撮影する事が多い、都内の公園でも場所場所により
色々なロケーションがある。
並木を利用して抜けの良い写真を撮るとき、
モデルを1/3程度での構図を考えるとこのような構図は如何であろう？

また木漏れ日を利用してモデルを全体の1/2程度に置き考えるとこのような
構図はどうだろうか？

木漏れ日を利用するときラインライトを上手く使う事も一緒に考えよう！
ラインライトとは髪の毛に当たる光の事で顔の輪郭強調等に使う。
木漏れ日の場合暗い所が多いし、又緑かぶりを起こす事があるが、ここでストロボ等を使ってしまうと
折角の木漏れ日が死んでしまうので気をつけよう！
緑かぶりを避けるには強い銀レフでの返し又は、サンレフ、市松レフ等のアンバー系レフを使用すると軽減できる。



公園編と言う事で公園の撮影許可について触れておこう！
どのような公園でも基本的に撮影許可は必要である
これは個人撮影であっても撮影会であっても同じである。
都立公園の殆どはFAXで３日以上前に各管理事務所にて受け付けてくれる。
使用料金は条例で、
３０平米以下（2～3人までの撮影）１時間あたり￥100
１００平米以下（5～6人程度の撮影）１時間あたり￥300
101平米以上（それ以上の人数）１時間あたり￥600
となっていますが各公園管理事務所でその解釈が違うようです。
この使用平米数計算は１か所に使う平米数で複数の場所を使っても１か所あたりの使用料のみです。
例えばお台場周辺管理の公園センターや木場公園だと上記の金額のままですが、
葛西臨海公園や浜離宮恩賜庭園の場合個人撮影であれば３０平米以下ですが
撮影会になった場合一律101平米以上が適応されます。
旧古河庭園の場合建物全景を入れた構図を撮ると101平米以上が適応
浮間公園の場合上記金額+使用平米数の料金を加算
等違いが有りますので使用の場合各公園管理事務所へお問い合わせください。
また撮影日等の条件もある公園まります。
上野公園等は土日の撮影許可が出ない所や旧岩崎庭園等は撮影の許可自体が出ない所もあります。
旧古河庭園は１申請者につき月１回のみでイベント月は許可が出ません。

区立公園の場合
中野区哲学堂公園を例にあげると１撮影１０名以下の場合１時間あたり￥1.200である
大人数でも許可は出るが使用料金が倍になったりするのでご注意を！
申請は当日管理事務所に行けば出来る。
北区飛鳥山公園は撮影日が決まった時点で北区区役所内の公園管理課へ申請に行き
使用料の納付書が出来たら取りに行き納付する。
使用料は１時間あたり￥1.000である。

国管理の公園
新宿御苑は撮影日が決まった時点で管理事務所へ行き申請すること
撮影後日成果物（撮った写真）を数点郵送すること。
１申請１０名以下　使用料無料
北の丸公園も影日が決まった時点で管理事務所へ行き申請すること
但し不特定多数を集め、金額を徴収する撮影会は許可が出ません。
１申請１０名以下　使用料無料

市立公園等
府中郷土の森は撮影会に対して許可は出ません
写真勉強会等の目的のみ許可がでます。
又ネット等不特定多数が見る場所へのクレジットは出さない事又、出す場合府中某所とすること。
また公園内の建物の外観及び内部は撮影しないこととなっておりますので気をつけましょう！

千葉県立公園の場合
各公園管理の都市計画事務所内公園管理課へ撮影日が決まった時点で申請に行くこと。
使用料として１平米あたり２円程度（使用全平米数）必要です。

等など公園管理事務所により多々違いますので申請時にお問い合わせください。

ポートレート写真を楽しむ（スタジオ編）

スタジオは苦手なんて話をよく聞きますがどうしてでしょう？
ホリゾントスタジオだと確かに限られたスペースで撮らなければならないのは確かですが、
ホリゾントの場合大型ストロボやスカイライト、クオーツライト等大型照明機器を利用して
光で遊ぶ事を学べます。
例えば、このような写真はどうでしょう？この写真は、
バルブ撮影で胸のハート部分にスポットライトを当て、大型ストロボを１発たきます。
ストロボ発光と同時にモデルの後ろに蛍光灯を持って立った人が蛍光灯を動かします。
この時の蛍光灯を動かすのを１０秒と決めバルブで全行程１０秒間シャッターを開きます。
この撮影で分かるのが、大型ストロボでモデル全体が写り、
シャッターがバルブで開いている状態でストロボと同時に蛍光灯を動かす事により蛍光灯の軌道が写ります。
このような光の勉強が出来る事がホリゾントの良い面だと思います。

次にハウススタジオですが、大きさとスチエーションがバラエティ豊なので色々な使い方が出来ます。
ただどんなに大きいスタジオでも屋外に比べ広さには限界があります。
しかし殆どのハウススタジオでは自然光が入り屋外と同じ程度の光も使え
又、照明器具を駆使する事により屋外とは違った写真が撮れますし屋内ならではの写真も撮れます。
ただ気をつけなければならないのがスタジオの場合屋外と違いモデルとの距離が近い為
アップ系の写真になりがちな事です。
レンズ選びとしてはズームだと広角系及び標準があれば間に合います。
単焦点であれば50ｍｍ以下で間に合います。
外に比べて光量が足りないので出来れば明るい単焦点を使用しましょう！

 窓際で自然光を使いレフ板で返し、補助的にデーライトランプを使用すると
このような写真になります。

後ろのタングステン系（電球色）のシャンデリアを生かして撮影しようとする時
メイン照明をタングステンにすると多少黄色が強くなりますが自然な写真になります。
W/Bをタングステン若しくは変換フィルターを使いますが、
撮影後ソフトで肌色を強調しようとしすぎると折角の電球色が死んでしまいます。
ハウススタジオの場合どれだけ見た色（記憶色）に近い色に出すかを心がけると自然な色になります。

青空での撮影

子供の頃の絵日記のような青空は今少なくなって来ました。
でも綺麗な青空を生かしてポートレート写真を撮ろうとすると
レフ板では写真のように光が足らず青空が綺麗に出ませんので、
順光か日中シンクロを使うかの選択となります。
（写真は青空を出すのに露出的にギリギリの所で撮影してます。実際はもっと綺麗な青空です。）

モデルの顔に出る影を飛ばそうと思えば日中シンクロを選択すべきでしょうが
私は写真らしい順光を選びます。
理由としてストロボを使えばモデルの影は消え綺麗な写真に見えますが
逆に言えばのっぺりとした写真になってしまします。
（何か如何にもストロボ使いましたって絵になってしまいました）

順光だとどうでしょう？影は出ますが自然で良くないですか？
Canon 30D ToknaATX17mmF3.8  　ISO100　絞り:F8 　シャッタースピード1/1000    WB/Auto

ポートレート写真を楽しもう！

写真におけるすべての分野を考えた時、すべての要素が含まれるのがポートレートである。
そのことを私は長年言い続けて来た。
写真を知らない人はポートレート＝顔と思っているかも知れないが、しかしそれは間違いである！
ポートレートにおける顔（表情）は確かに大事ではあるが、それと同じぐらいに必要なのは構図である。
風景の中へモデルを置いた時に何を考えますか？
後ろが山ならこういうのは如何でしょうか？（左写真）